
事業の効率化や新規事業の開拓などで、デジタル技術の導入を進める企業が増えています。システムの開発やデータを保存、管理するためにサーバーの構築が必要になりますが、注目を浴びているのがクラウドサービスの「aws」です。
この記事では、「aws」の概要やメリット、クラウドサービスを利用する際にも重要なプロセス監視について解説しています。
awsの概要
aws(amazon web services)は、amazonが提供するクラウドサービスです。2006年から提供を開始しており、クラウド上にサーバーを構築したり、システムを開発したりできます。軍隊や国際銀行が求めるセキュリティレベルを満たす高い安全性があります。
また、200以上の充実したサービスが利用する企業や団体を増やしている要因です。awsは、サービスやストレージの容量、利用した時間などが増えると利用料金も高くなる、従量制料金です。
awsの3つのメリット
awsには3つのメリットがあり、1つめは初期費用の削減です。自社でサーバーを構築するためには、サーバー自体の購入費に加え、周辺機器を揃え、運用できるように立ち上げる必要があります。一方、awsを利用する場合は従量制料金なので初期費用がかからず、使ったサービスや容量、時間の分だけ費用がかかります。
またawsでは、サービスの提供が安定しシステムの維持費が削減できるようになると、利用料金も値下げするため、利用中にコストが下がるケースもあるでしょう。サーバーを一から構築するより、初期費用を抑えられることがawsのメリットです。
2つめのメリットは、幅広い利用目的に対応したサービスとアップデートです。awsは200以上のサービスを提供していますが、ユーザーのリクエストに応え、その数は増え続けています。新規事業の開拓や新たなシステムの開発に取り組む際に、オンライン上からの操作だけで開発環境を構築できます。
提供されているサービスもアップデートが繰り返されているため、自社でサーバー環境を改善する手間や費用がかかりません。3つめは、安全性です。自社のサーバーでデータを管理する場合は、不法アクセスへの対策が必要です。
開発したシステムやデータ、個人情報などが流出する可能性があり、セキュリティを構築しなければいけません。一方、awsは世界の主要な安全基準を満たしており、サーバー自体も信頼性の高い国や地域に分散して配置しています。
外部からの不法アクセスに対する安全性と、サーバーを分散することで物理的なトラブルに対するリスク回避能力の高さがawsのメリットです。
awsもプロセス監視は重要
サーバー本体を設置するオンプレミス型と同じように、awsでもプロセス監視は重要です。オンプレミス型では、システムの稼働に十分なCPUの稼働率を管理する必要がありました。
また、ハードディスクなどのストレージの空き容量にも注意する必要があります。CPUの稼働率が高くなったり、ストレージに余裕がなくなったりすると、システム全体の動作が遅くなり、停止する可能性があるでしょう。
データが多くなりストレージを圧迫すれば、データ自体を整理するか、内部や外付けのハードディスクを増設し容量を増やさなければいけません。安定してサーバーを稼働させるためにエンジニアを配置し、一連のプロセスを監視する必要がありました。
一方、awsの場合はサーバーの稼働率を管理するのは、クラウドサービスを提供するamazonです。しかし、プロセス監視が不要になるわけではありません。理由は3つあり、1つは進めているシステム開発やデータの管理に最適なサービスを選ぶ必要があるからです。
awsでは新たなサービスの提供やアップデートが繰り返されているため、適した開発環境が変わる可能性があります。awsが発信する情報から、自社の開発環境に最適なサービスを選択するために監視は必要です。2つめは、コストを削減するためです。
awsは使った分だけ料金が発生する従量制料金なので、無計画にサーバーを利用するとコストが高くなる場合があります。そのため、必要最低限の利用になるように、システム開発やデータの管理が行われているかを監視する必要があるでしょう。(関連サイト|AWS運用|CloudCREW)
3つめの理由は、オンプレミス型とクラウドサービスのサーバーを併用している場合、トラブルが発生した際に原因を追究するためです。企業の中には、自社で構築したサーバーとクラウドサーバーを併用しているケースがあります。
awsもシステムトラブルを起こす可能性がゼロではありません。システムトラブルが発生した際に、自社とaws、どちらのサーバーが原因なのかを探り、対策を講じるために監視します。
CloudWatchを利用してプロセス監視を効率化
awsには、監視を自動化するサービス「CloudWatch」があります。開発に最適なサービスの選択や、サーバーを併用しているケースなどは人の目による監視が不可欠です。監視を自動化するフルマネージドサービスを利用すれば、監視にかかる負担を削減し効率化することができます。
「CloudWatch」には3つのメリットがあり、1つめがストレージや利用料金などの監視とグラフ化です。複数の監視対象に対して個別にアクションを設定できるので、メールの配信や再起動などを自動化できます。
2つめは、「CloudWatch Logs」によってアクセスログを監視、保存できることです。特定のログ情報が検出された際にコミュニケーションツールに通知する文字列監視もできるため、不正アクセスの対策や問題が派生した場合の早期発見につながるでしょう。
3つめのメリットが、イベントに対するアクションの自動化です。イベントとはawsの状況の変化を指します。アプリケーションの更新や、日時の経過などがイベントにあたります。「CloudWatch Events」はこれらのイベントに対するアクションを設定できるため、アプリケーションのアップデートや設定した時間に停止が自動化できます。
アプリケーションの停止はサービスのムダな利用を防げるので、従量制料金のawsを利用する際には、コスト削減につながるでしょう。CloudWatchの3つのメリットを活用することで、プロセス監視の負担は減り、サーバー運用の効率化ができます。
awsってどんなもの?rdsをzabbixで監視するってどういう意味?基礎から詳しく学んでみよう
awsエンジニアの資格

awsに関する知識を示す資格は、11種類あります。資格は3つのレベルに分かれており、基礎、アソシエイト、プロフェッショナルの順に難易度が高くなります。また、「セキュリティ」、「データベース」、「機械学習」、「ネットワーク」、「データ分析」の専門的な知識に関する資格もあり、難易度はより高くなるでしょう。
DX(デジタルトランスフォーメーション)やIoTの推進により、システム開発や事業のデジタル化に取り組んだり、事業の拡大を図ったりする企業は増えることが予想され、awsの資格を保有する人材の需要も高まるでしょう。
awsを利用してサーバー運用とプロセス監視を効率化

Amazonが提供するawsは、初期費用の削減や安全性などのメリットがあります。また、サーバーの稼働を最適化するためのプロセス監視は必要なままですが、監視サービス「CloudWatch」を活用することで負担を抑えられ、効率化が可能になります。
システムの開発やデータの管理にawsの運用を検討する際には、解説したメリットを参考にしてみてはいかがでしょうか。